電磁気学で出てくるアンペールの法則。積分が出てくるのでどういう意味かは知らないという人も多いと思います。
この記事ではアンペールの法則とはなにか、設計で使う場面について解説してみたいと思います。
アンペールの法則とは
アンペールの法則は以下の数式であらわされます。
$$\oint_C \boldsymbol{H}\cdot d\boldsymbol{l}=Ni$$
文章で表すと以下のようになります:
「磁界をある経路に沿って積分したものはその経路を貫く電流の総和に等しい」
絵で表すと以下のようになります。
アンペールの法則の応用例
アンペールの法則の応用例といえばコイルです。
磁性体にコイルをN回巻き付けて電流\(i\)を流す以下の絵の場合、磁性体に沿った経路\(C\)でアンペールの法則を適用すると面を貫く電流の総和は\(Ni\)なので\(\oint_C\boldsymbol{H}\cdot d\boldsymbol{l}=Ni\)となります。
設計で使う場面
実際の設計でもアンペールの法則を知っているとコイルの設計に役立ちます。
「磁界を周回積分したものは経路の面を貫く電流の総和に等しい」といいましたが、実は積分に寄与する電流の成分は面に垂直な成分のみで、それ以外の成分は積分に寄与しない無駄な成分です(以下の絵)。
したがってコイルを設計する際には電流ができるだけ面に対して垂直になるようにする必要があります。
これはつまり導線ができるだけ面に対して垂直になるようにするのが望ましいということです。(コイルの線の巻き方をできるだけ垂直になるようにする工夫が求められます。)
まとめ
以上になります。
物理法則を理解していると実際の物をよく理解できますし、設計にも生かすことができるのでおすすめです。
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