こんにちは。
今回は慣性モーメントとはなにかについて解説したいと思います。
意外と知っているようで知らない人も多いのでぜひみていってください。
慣性モーメントは回転のしにくさを表す
結論から言うと慣性モーメントは物体の回転のしにくさを表します。
以下の図のように物体が置かれていたとします。
このとき各軸まわりの慣性モーメントIx, Iy, Izは図中の式のようになります。
※ρは物体の密度です。
※Vは物体の領域を表します。
慣性モーメントを使うと角運動量保存則は以下のようになります:
※θはそれぞれの軸の回転角度です。
※Mはモーメントです。
ここで運動量保存則と角運動量保存則を比べてみましょう。
こうしてみると慣性モーメントIは運動量保存則で言う質量mに相当することがわかります。
質量が大きければ物体を動かしにくいのと同様、慣性モーメントが大きければ物体は回転させにくいです。
実際、角運動量保存則において両辺を慣性モーメントで割れば角加速度が慣性モーメントに反比例する、つまり慣性モーメントが大きくなれば角加速度は小さくなるということがわかります:
フィギュアスケーターは回転するときになぜ腕を引き付けるか?
余談ですが、フィギュアスケーターが回転するときに腕を自分の体に引き付けるのは慣性モーメントを小さくするためです。
(慣性モーメント)=(質量)×(長さ)^2なので腕を短くすればスケーターの回転軸まわりの慣性モーメントは小さくなります。
そうすると角加速度は慣性モーメントに反比例するので角加速度が大きくなる、つまり回転速度がだんだん速くなるのです。
まとめ
今回はここまでです。
慣性モーメントは回転機械の設計などで出くわす概念なのでぜひ理解しておきたいですね。
ありがとうございました。
コメント