この記事では減磁曲線の見方について解説します。
機械設計をしていると磁石を扱うことも多いと思いますが、そんなときに重要となるのが磁石の性能を理解しているかどうかです。
磁石の性能は減磁曲線を見ればわかります。
しかし減磁曲線は初めて見る人にとってはわかりにくいものです。
減磁曲線の見方を理解して磁気回路をしっかり設計できるようになりましょう。
減磁曲線とは
減磁曲線とは横軸に磁石内部の磁界、縦軸に磁束密度をプロットした曲線です。
磁石の磁界と磁束密度の関係を表しています(下の図)。
設計をしていて「磁石が出す磁束密度を知りたい」ということがあると思います。
そんなとき減磁曲線を使用します。
まず磁石内部の磁界を求めます。
そして磁界から減磁曲線に向かって線を引いて減磁曲線と交わる点(動作点)を求めます。
求めた点のy座標が磁束密度です。
パーミアンス係数を使えば磁気回路に接続された磁石の出す磁束密度を簡単に求めることができます。
詳細は以下の記事を参考にしてください。
リコイル曲線
減磁曲線について解説してきましたが、実は磁石の動作点が変化するとき、動作点は減磁曲線上を動くわけではありません。
磁石を使用中に磁界が変化すると動作点が移動しますが、動作点は減磁曲線ではなく、リコイル曲線上を移動するのです(下図)。
リコイル曲線は直線とみなす場合が多く、その直線の傾きはリコイル比透磁率と呼ばれる値で示されます。
磁石のカタログにはこのリコイル比透磁率が載っている場合がほとんどだと思うので動作点の変化を見る場合は参考にするといいでしょう。
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